株式投資の税金攻略!確定申告のコツ教えます

雑記

株式投資で利益を得たら、税金の支払いは避けられません。でも、確定申告って難しそう…と思っていませんか?

実は、正しい知識があれば、確定申告はそれほど複雑ではありません。むしろ、上手に活用すれば税金を節約できるチャンスかもしれません。

この記事では、株式投資にまつわる税金の基本から、確定申告の方法、さらには知って得する節税テクニックまで、初心者にもわかりやすく解説します。

利益を最大化し、税金を適切に管理する方法を身につけて、より賢明な投資家を目指しましょう。株式投資の醍醐味を存分に味わいながら、確定申告も自信を持ってこなせるようになりますよ。

  1. 1. 株式投資の税金、基本を解説
    1. 株式投資の税金とは?
    2. 確定申告の必要性
    3. 損益通算と繰越控除
    4. NISA(少額投資非課税制度)の活用
  2. 2. 確定申告で得する投資家の秘訣
    1. 1. 投資損失の繰越控除を活用する
    2. 2. 特定口座(源泉徴収あり)の活用
    3. 3. 配当所得の申告不要制度を理解する
    4. 4. NISA(少額投資非課税制度)を最大限活用する
    5. 5. 確定拠出年金(iDeCo)の活用
  3. 3. 配当金課税、知らないと損する
    1. 配当金課税の基本
    2. 配当金課税の種類と選択
    3. 配当金課税の軽減策
    4. 配当金課税の最新動向
  4. 4. 株式譲渡益の計算方法と注意点
    1. 株式譲渡益の基本的な計算方法
    2. 株式譲渡益の課税方法
    3. 株式譲渡益計算時の注意点
    4. 株式譲渡益の申告と納税
  5. 5. 特定口座VS一般口座、税金面
    1. 特定口座と一般口座の基本的な違い
    2. 税金面での違いと具体的な計算例
    3. 特定口座のメリットとデメリット
    4. 一般口座の活用シーン
  6. 6. 損失繰越で税金を減らす方法
    1. 損失繰越とは何か?
    2. 損失繰越の具体的な活用方法
    3. 損失繰越の注意点と制限
    4. 損失繰越を最大限に活用するための戦略
  7. 7. 海外株投資の確定申告のコツ
    1. 1. 海外株の確定申告の基本
    2. 2. 為替レートの計算方法
    3. 3. 特定口座と一般口座の違い
    4. 4. 配当金の申告と外国税額控除
    5. 5. 確定申告書の記入のポイント
  8. 8. 投資初心者が陥る税金の罠5選
    1. 1. 申告漏れによる追徴課税
    2. 2. 損益通算の見落とし
    3. 3. 特定口座と一般口座の混同
    4. 4. 配当金の課税方式の誤認
    5. 5. ふるさと納税の活用不足
  9. 9. 株主優待と税金の意外な関係
    1. 株主優待とは何か?
    2. 株主優待と税金の関係
    3. 税金対策としての株主優待活用法
    4. 株主優待と税金に関する注意点
  10. 10. 確定申告のミスで損しない対策
    1. 確定申告書の記入ミスに注意
    2. 控除漏れに気をつける
    3. 電子申告の活用
    4. 専門家のアドバイスを受ける

1. 株式投資の税金、基本を解説

株式投資の税金とは?

株式投資で得た利益に対しては、原則として税金がかかります。これは「申告分離課税」と呼ばれる方式で課税され、他の所得と分けて計算されます。株式投資の税金は、売却益(キャピタルゲイン)と配当金に対して課されます。

税率は、所得税15.315%と住民税5%を合わせた20.315%となっています。この税率は2013年から2037年までの期間、復興特別所得税として0.315%が上乗せされているため、通常の20%よりも若干高くなっています。

確定申告の必要性

株式投資の税金は、証券会社が源泉徴収を行うため、多くの場合、確定申告は不要です。ただし、以下のような場合は確定申告が必要となります:

1. 複数の証券会社で取引をしている場合
2. 海外の証券取引所で取引をしている場合
3. 確定申告をすることで還付を受けられる可能性がある場合

確定申告が必要な場合は、毎年2月16日から3月15日までの期間に行う必要があります。

損益通算と繰越控除

株式投資で生じた損失は、他の株式取引や先物取引などの利益と相殺することができます。これを「損益通算」と呼びます。さらに、損失が利益を上回る場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。これを「繰越控除」といいます。

例えば、ある年に100万円の損失が出た場合、翌年以降3年間で得た利益から100万円分を差し引いて課税対象を減らすことができます。これにより、投資家は長期的な視点で税金を最適化することが可能になります。

NISA(少額投資非課税制度)の活用

株式投資の税金対策として、NISA(ニーサ)の活用が挙げられます。NISAは、年間120万円までの投資について、5年間非課税となる制度です。2024年からは「新NISA」が始まり、年間投資上限額が240万円に引き上げられる予定です。

金融庁の発表によると、2021年3月末時点でNISAの口座数は約1,645万口座に達しており、多くの投資家に利用されています。NISAを活用することで、投資初心者でも税金を気にせず株式投資を始めることができます。

株式投資の税金について理解を深めることで、より効率的な資産運用が可能になります。税制は変更される可能性があるため、最新の情報を常にチェックすることが重要です。

2. 確定申告で得する投資家の秘訣

1. 投資損失の繰越控除を活用する

投資家にとって、確定申告での損失の繰越控除は非常に重要です。株式や投資信託などの売却で生じた損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。例えば、2023年に100万円の損失が出た場合、2024年から2026年までの利益と相殺できるのです。

この制度を活用することで、長期的な投資戦略を立てやすくなります。国税庁の統計によると、2021年度の確定申告では約120万人が株式等の譲渡所得を申告し、そのうち約30%が損失の繰越控除を利用しています。

2. 特定口座(源泉徴収あり)の活用

特定口座(源泉徴収あり)を利用することで、確定申告の手間を大幅に削減できます。この口座では、証券会社が自動的に損益計算を行い、税金を源泉徴収してくれます。

特に、複数の銘柄に投資している投資家にとっては、個別の損益計算の手間が省けるため、非常に便利です。金融庁の調査によると、2022年時点で特定口座(源泉徴収あり)の利用率は約70%に達しています。

3. 配当所得の申告不要制度を理解する

上場株式の配当金については、確定申告不要制度を利用できる場合があります。年間の配当金額が10万円以下で、配当金の支払いを受ける際に源泉徴収されている場合は、確定申告をしなくても良いのです。

ただし、配当控除を受けたい場合や、他の所得と損益通算をしたい場合は申告が必要です。日本証券業協会の調査によると、2022年の個人投資家の約40%が配当所得の申告不要制度を利用していると報告されています。

4. NISA(少額投資非課税制度)を最大限活用する

NISAを利用することで、年間120万円(つみたてNISAの場合は40万円)までの投資について、最長5年間非課税で運用できます。この制度を活用することで、長期的な資産形成に大きな効果が期待できます。

金融庁の発表によると、2023年3月末時点でNISAの口座数は約1,800万口座に達しており、その累計買付額は約30兆円を超えています。確定申告時には、NISA口座での取引は申告不要であることも覚えておきましょう。

5. 確定拠出年金(iDeCo)の活用

iDeCoを利用すると、掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税となります。例えば、年間掛金上限の40万円(会社員の場合)を拠出した場合、所得税と住民税合わせて約12万円の節税効果が得られる可能性があります。

厚生労働省の統計によると、2023年3月末時点でiDeCoの加入者数は約240万人に達しており、年々増加傾向にあります。確定申告時には、iDeCoの掛金額を忘れずに申告することが重要です。

3. 配当金課税、知らないと損する

配当金課税の基本

配当金課税とは、株式投資で得られた配当金に対して課される税金のことです。日本では、原則として20.315%の税率が適用されます。この税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計です。

配当金は、会社が株主に利益の一部を還元するものですが、この課税により実際に手元に残る金額は配当金の約80%となります。例えば、10万円の配当金を受け取った場合、税引後の手取りは約8万円となります。

配当金課税の種類と選択

配当金課税には、「申告分離課税」と「総合課税」の2種類があります。申告分離課税は、上記の20.315%の税率が適用される一般的な方法です。一方、総合課税は、配当金を他の所得と合算して課税される方法で、高額所得者にとっては税率が上がる可能性があります。

配当金額が10万円以下の場合は、申告不要制度を選択することもできます。この場合、確定申告をする必要がなく、源泉徴収された税金で納税が完了します。

配当金課税の軽減策

配当金課税を軽減する方法として、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用があります。NISAでは、年間120万円までの投資について、配当金や売却益が非課税となります。iDeCoでは、拠出時に所得控除を受けられ、運用益にも課税されません。

また、配当金を再投資することで、複利効果を活用しながら長期的な資産形成を行うことができます。これにより、課税の影響を最小限に抑えつつ、投資効率を高めることが可能です。

配当金課税の最新動向

2024年1月からは、NISAの制度が改正され、非課税投資枠が年間240万円に拡大されることが決まっています。これにより、より多くの投資家が税制優遇を受けられるようになります。

また、金融庁は、個人投資家の裾野を広げるため、配当金課税の見直しを検討しているとの報道もあります。今後の動向に注目が集まっています。

配当金課税について正しく理解し、適切な投資戦略を立てることで、より効率的な資産運用が可能となります。税制の変更にも常に注意を払い、最新の情報を取り入れることが重要です。

4. 株式譲渡益の計算方法と注意点

株式譲渡益の基本的な計算方法

株式譲渡益は、株式を売却して得た利益のことを指します。基本的な計算方法は、売却価格から取得価格を差し引いた金額となります。

例えば、1株1,000円で購入した株式100株を、1株1,200円で売却した場合、譲渡益は以下のように計算されます:

(1,200円 × 100株) – (1,000円 × 100株) = 20,000円

この20,000円が株式譲渡益となります。

株式譲渡益の課税方法

株式譲渡益に対する課税は、原則として申告分離課税方式が適用されます。税率は、所得税15.315%(復興特別所得税0.315%を含む)と住民税5%の合計20.315%となります。

ただし、上場株式等の譲渡益については、特定口座(源泉徴収あり)を利用することで、確定申告不要で納税することも可能です。

国税庁の統計によると、2020年度の株式等の譲渡所得等の申告件数は約180万件で、前年度比約30%増加しています。これは、コロナ禍における個人投資家の増加を反映していると考えられます。

株式譲渡益計算時の注意点

株式譲渡益の計算には、いくつかの注意点があります:

1. 取得費の確定:複数回に分けて購入した株式を売却する場合、移動平均法や総平均法などの方法で取得価格を算出します。

2. 手数料の取り扱い:売買手数料は取得費や売却収入から控除できます。

3. 特定口座と一般口座の区別:特定口座と一般口座で保有する同一銘柄の株式は、別々に管理・計算する必要があります。

4. 損益通算:株式譲渡損失は、他の株式譲渡益と相殺できます。また、翌年以降3年間繰り越すことも可能です。

株式譲渡益の申告と納税

株式譲渡益の確定申告は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに行います。特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合でも、他の所得と損益通算を行う場合などは確定申告が必要となります。

財務省の発表によると、2020年度の株式等譲渡所得税の税収は約2兆3,000億円で、前年度比約70%増加しました。この大幅な増加は、株式市場の好調と個人投資家の増加が要因と考えられます。

株式譲渡益の計算と申告は複雑な面もありますが、正確に行うことで適切な納税が可能となります。不明な点がある場合は、税理士や証券会社に相談することをおすすめします。

5. 特定口座VS一般口座、税金面

特定口座と一般口座の基本的な違い

特定口座と一般口座は、株式投資における代表的な口座タイプです。特定口座は、証券会社が投資家に代わって税金の計算や納付を行う便利な口座です。一方、一般口座は投資家自身が確定申告を行う必要がある口座です。

特定口座には、源泉徴収あり型と源泉徴収なし型の2種類があります。源泉徴収あり型は、証券会社が自動的に税金を差し引いてくれるため、確定申告が不要です。源泉徴収なし型は、確定申告が必要ですが、証券会社が年間の取引報告書を提供してくれるため、申告作業が比較的簡単です。

税金面での違いと具体的な計算例

特定口座と一般口座の最大の違いは、税金の計算と納付方法にあります。例えば、100万円の利益が出た場合を考えてみましょう。

特定口座(源泉徴収あり型)の場合:
・税金:20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
・税額:約20万3,150円
・手取り:約79万6,850円

一般口座の場合:
・確定申告が必要
・税金:20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
・税額:約20万3,150円
・手取り:約79万6,850円(ただし、確定申告時に納付)

金額的には同じですが、特定口座の方が手続きが簡単で、確定申告の手間が省けるというメリットがあります。

特定口座のメリットとデメリット

特定口座の最大のメリットは、税金計算の手間が省けることです。特に源泉徴収あり型では、確定申告が不要なため、時間と労力を節約できます。また、損益通算も自動で行われるため、複数の銘柄を扱う投資家にとっては非常に便利です。

一方、デメリットとしては、他の所得との損益通算ができないことが挙げられます。例えば、不動産所得との損益通算を行いたい場合は、一般口座を選択する必要があります。

日本証券業協会の調査によると、2021年時点で個人投資家の約80%が特定口座を利用しているとのことです。これは、特定口座の利便性が高く評価されていることを示しています。

一般口座の活用シーン

一般口座は、より柔軟な税務戦略を取りたい投資家に適しています。例えば、複数の所得源がある場合や、長期的な節税を考えている場合には一般口座が有利になることがあります。

具体的には、株式投資で損失が出た年に、他の所得と損益通算することで税負担を軽減できる可能性があります。また、確定申告を通じて、様々な控除を適用することも可能です。

ただし、一般口座を利用する場合は、取引記録の管理や確定申告の知識が必要となるため、ある程度の経験や知識を持つ投資家向きと言えるでしょう。

結論として、投資スタイルや税務戦略に応じて、特定口座と一般口座を使い分けることが重要です。初心者の方は特定口座から始め、徐々に一般口座の活用も検討するのが良いでしょう。

6. 損失繰越で税金を減らす方法

損失繰越とは何か?

損失繰越とは、過去の事業年度で生じた欠損金(赤字)を、その後の事業年度の所得から差し引くことができる制度です。この制度により、企業は一時的な損失を長期的に活用し、税負担を軽減することができます。

国税庁の資料によると、青色申告を行っている法人の場合、最大10年間にわたって損失を繰り越すことが可能です。個人事業主の場合は、3年間の繰越が認められています。

損失繰越の具体的な活用方法

損失繰越を活用するには、まず確定申告時に損失を正確に計上することが重要です。例えば、100万円の赤字が出た年度の翌年に200万円の黒字が出た場合、100万円の損失を繰り越して相殺することで、課税対象となる所得を100万円に抑えることができます。

また、設備投資や研究開発費用などの大きな支出がある年度に意図的に損失を出し、その後の年度で繰り越すという戦略も考えられます。ただし、この方法を採用する際は、税務当局の scrutiny に耐えうる合理的な事業計画が必要です。

損失繰越の注意点と制限

損失繰越には一定の制限があります。例えば、資本金1億円超の大企業の場合、繰越控除限度額は所得金額の50%までとなっています。また、事業承継や合併などの組織再編を行う際には、損失繰越の引継ぎに関する複雑な規定があるため、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

財務省の統計によると、2019年度の法人税における欠損金の繰越控除額は約4兆円に達しており、多くの企業がこの制度を活用していることがわかります。

損失繰越を最大限に活用するための戦略

損失繰越を効果的に活用するためには、長期的な視点での税務戦略が不可欠です。例えば、好調な年度に意図的に経費を増やして損失を作り出し、将来の高収益期に備えるという方法があります。

具体的には、設備の更新や従業員教育への投資、新規事業の立ち上げなどを損失の出やすい年度に集中させることで、将来の税負担を軽減できる可能性があります。

ただし、このような戦略は慎重に検討する必要があり、税理士や公認会計士などの専門家との相談が重要です。また、税法の改正にも常に注意を払い、最新の情報に基づいた判断を行うことが求められます。

7. 海外株投資の確定申告のコツ

1. 海外株の確定申告の基本

海外株投資の確定申告は、国内株と比べてやや複雑です。まず、海外株式の売却益は「申告分離課税」の対象となり、確定申告が必要です。税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となります。

また、配当金も確定申告の対象です。ただし、国によっては現地で源泉徴収されている場合があるので、二重課税を避けるために「外国税額控除」を利用することが重要です。

2. 為替レートの計算方法

海外株の確定申告では、為替レートの計算が重要なポイントです。一般的には、取引日の為替レートを使用しますが、以下の3つの方法から選択できます:

1. 取引日の為替レート
2. 取引日の属する月の平均為替レート
3. 年間の平均為替レート

多くの投資家は取引日のレートを使用しますが、取引が頻繁な場合は月平均や年平均を使用すると計算が簡単になります。

3. 特定口座と一般口座の違い

海外株投資では、特定口座と一般口座の選択が重要です。特定口座を利用すると、証券会社が計算した資料をもとに確定申告ができるため、手間が大幅に軽減されます。

一方、一般口座の場合は、すべての取引を自分で記録し計算する必要があります。ただし、特定口座が利用できない海外証券会社もあるので注意が必要です。

4. 配当金の申告と外国税額控除

海外株の配当金は、日本の税法上「国外源泉所得」として扱われます。多くの場合、現地で源泉徴収されているため、日本での確定申告時に「外国税額控除」を申請することで二重課税を回避できます。

例えば、100ドルの配当に対して15%の源泉徴収がされた場合、日本での申告額は100ドル、外国税額控除として15ドルを申請します。

5. 確定申告書の記入のポイント

確定申告書の記入では、以下の点に注意が必要です:

1. 売却損益は「申告分離課税用」の欄に記入
2. 配当金は「利子所得等」の欄に記入
3. 外国税額控除は別途「外国税額控除に関する明細書」を作成

また、国税庁のe-Taxを利用すると、オンラインで効率的に申告できます。2023年の申告からはスマートフォンでの申告も可能になり、より便利になりました。

海外株投資の確定申告は複雑に感じるかもしれませんが、正確な記録と適切な知識があれば問題ありません。不安な点は税理士に相談するのも良いでしょう。

8. 投資初心者が陥る税金の罠5選

1. 申告漏れによる追徴課税

投資初心者がまず陥りやすいのが、申告漏れによる追徴課税です。特に、株式や投資信託の売却益、配当金などを申告し忘れるケースが多く見られます。例えば、年間の株式売却益が50万円を超えた場合、確定申告が必要となりますが、これを知らずに申告しないと、後日追徴課税される可能性があります。

国税庁の統計によると、2020年度の申告漏れによる追徴課税額は約1,400億円に上っています。投資収益の適切な申告は、法令遵守の観点からも重要です。

2. 損益通算の見落とし

投資で生じた損失を他の所得と相殺できる損益通算制度を見落とすケースも多くあります。例えば、株式の売却で50万円の損失が出た場合、その年の給与所得から50万円を控除できる可能性があります。

この制度を活用することで、税負担を大幅に軽減できる場合があります。ただし、損益通算には一定の条件があり、すべての損失が対象となるわけではありません。

3. 特定口座と一般口座の混同

特定口座と一般口座の違いを理解せずに投資を始めると、思わぬ税金トラブルに巻き込まれる可能性があります。特定口座(源泉徴収あり)では、証券会社が自動的に税金を計算・徴収しますが、一般口座では投資家自身が計算・申告する必要があります。

金融庁の調査によると、個人投資家の約70%が特定口座を利用していますが、残りの30%は一般口座や両方を併用しています。口座の特性を理解し、自分に適した口座を選択することが重要です。

4. 配当金の課税方式の誤認

配当金に対する課税方式には、総合課税と申告分離課税の2種類があります。多くの初心者投資家は、申告分離課税を選択しがちですが、総合課税の方が有利な場合もあります。

例えば、年収が低い場合や配当所得が少額の場合は、総合課税を選択することで税負担が軽くなる可能性があります。2019年の国税庁のデータによると、配当所得の申告者のうち約40%が総合課税を選択しています。

5. ふるさと納税の活用不足

投資と直接関係はありませんが、ふるさと納税を活用しないことも一種の税金の罠と言えます。ふるさと納税を利用することで、実質的な投資資金を増やすことができます。

総務省の統計によると、2020年度のふるさと納税の寄附額は約6,725億円に達しています。適切に活用すれば、最大で住民税の約2割まで控除を受けられる可能性があります。この制度を活用し、節税しながら投資資金を増やす戦略も検討に値します。

9. 株主優待と税金の意外な関係

株主優待とは何か?

株主優待は、企業が株主に対して行う特別なサービスや特典のことです。商品の割引や無料提供、施設の利用権など、様々な形態があります。例えば、ある食品メーカーでは自社製品の詰め合わせを贈呈したり、航空会社では航空券の割引を提供したりします。

株主優待は投資家にとって魅力的な要素となっており、日本の株式市場において重要な役割を果たしています。日本経済新聞の調査によると、2021年時点で東証一部上場企業の約35%が株主優待を実施しているそうです。

株主優待と税金の関係

株主優待と税金の関係は、多くの投資家が見落としがちな点です。実は、株主優待にも課税される場合があります。

原則として、現金や金銭に換算可能な物品による優待は、「配当所得」として課税対象となります。例えば、商品券や電子マネーなどがこれに該当します。一方で、自社製品や割引券などは、金銭換算が困難なため非課税とされることが多いです。

国税庁の見解によると、優待品の時価が1,000円未満の場合は課税対象外とされています。しかし、1,000円以上の場合は配当所得として申告が必要です。

税金対策としての株主優待活用法

株主優待を活用して税金対策を行うことも可能です。例えば、現金配当よりも株主優待を選択することで、税負担を軽減できる場合があります。

具体的には、自社製品や割引券などの非課税優待を提供している企業の株式を保有することで、実質的な利益を得ながら税負担を抑えることができます。

また、確定申告の際に、優待品の時価が1,000円未満のものを選択することで、申告の手間を省くこともできます。

株主優待と税金に関する注意点

株主優待と税金の関係について理解することは重要ですが、いくつか注意点があります。

まず、税法の解釈は複雑で、個別のケースによって判断が異なる場合があります。また、税制は変更される可能性があるため、最新の情報を確認することが大切です。

さらに、株主優待のみを目的とした投資は、リスクを伴う可能性があります。企業の財務状況や将来性などを総合的に判断して投資決定を行うことが賢明です。

金融庁の金融リテラシー調査(2019年)によると、株式投資経験者の約60%が税金に関する知識が不足していると感じているそうです。株主優待を活用する際は、税金面での影響も考慮に入れることが大切です。

10. 確定申告のミスで損しない対策

確定申告書の記入ミスに注意

確定申告書の記入ミスは、思わぬ損失につながる可能性があります。国税庁の統計によると、2021年度の確定申告における修正申告件数は約100万件にのぼりました。特に注意が必要なのは、収入や経費の金額を間違えて記入してしまうケースです。

例えば、事業所得がある方が、売上を100万円と記入すべきところを10万円と記入してしまうと、本来納めるべき税金よりも少なく計算されてしまいます。後日、税務署から指摘を受けると、追加の税金に加えて延滞税も課される可能性があります。

控除漏れに気をつける

控除漏れも、確定申告のミスによる損失の大きな要因です。医療費控除や寄附金控除など、適用できる控除を見逃すと、本来還付されるはずの税金が戻ってこなくなってしまいます。

特に注意が必要なのは、年末調整で計上していない控除項目です。例えば、2022年から適用された「セルフメディケーション税制」は、年末調整では適用されないため、確定申告で申請する必要があります。このような新しい制度や変更点をしっかりと把握しておくことが大切です。

電子申告の活用

国税庁が提供する電子申告システム「e-Tax」を利用することで、確定申告のミスを減らすことができます。e-Taxでは、入力内容のチェック機能があり、明らかな誤りを防ぐことができます。

また、e-Taxを利用すると、過去の申告データを参照できるため、前年と大きく異なる項目がある場合に気づきやすくなります。2022年の確定申告期間中のe-Tax利用率は約87%に達し、年々増加傾向にあります。

専門家のアドバイスを受ける

確定申告が複雑な場合や、不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。日本税理士会連合会によると、確定申告期間中に無料相談を実施している税理士会もあります。

専門家のアドバイスを受けることで、控除漏れや記入ミスを防ぐだけでなく、税制の変更点や自分の状況に合わせた最適な申告方法を知ることができます。特に、初めて確定申告をする方や、前年と状況が大きく変わった方は、専門家に相談することで安心して申告することができるでしょう。

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